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甲状腺診療

甲状腺の病気やその症状にどのようなものがあるか紹介していきます。
ご自身の症状や診断内容を理解する一助として頂ければと思います。

甲状腺・甲状腺ホルモンとは

甲状腺は「のどぼとけ」の少し下付近にある、10~15gほどの小さな臓器です。
山内クリニックのモチーフで、「蝶」が羽を広げたような形をしています。
甲状腺は、食事(特に海藻)に含まれるヨードを材料に、甲状腺ホルモンをつくっています。
甲状腺ホルモンは、新陳代謝(栄養をエネルギーに変える機構)を調整しますが、
甲状腺ホルモンが多かったり少なすぎたりすると、体に不調が生じます。

甲状腺・甲状腺ホルモンとは

バランスが崩れることで
生じる具体的な症状

共通した症状:疲れやすい、だるくて動けない、
息切れ、むくみ、毛が抜けやすい、月経異常

甲状腺ホルモンが
多いとき

  • 暑がり
  • 汗かき(多汗)
  • 動悸(ドキドキする)
    指先の震え
  • 体重減少(よく食べるが太らない)
  • イライラ感
  • 指先の振え
  • 軟便・下痢
バランスが崩れることで生じる具体的な症状バランスが崩れることで生じる具体的な症状

甲状腺ホルモンが
少ないとき

  • 寒がり
  • むくみがある
  • 乾燥肌
  • 徐脈(脈が遅い)
  • 体重増加(普段と同じ生活で体重が増える)
  • 活気が起きない
  • 動作が鈍い
  • 便秘

甲状腺診療の大まかな流れ

当院では、問診後に血液検査で甲状腺ホルモンの自己抗体を確認します。
また、甲状腺をエコー検査装置を用いて大きさや性状を確認します。
必要に応じて甲状腺穿刺吸引細胞診検査を行い、腫瘤の良性、悪性を判断していきます。
※X線やCT、MRI等の高度医療機器検査が必要な場合は他医療機関に紹介いたします

甲状腺機能評価検査

甲状腺機能は、主に血液検査を用いて、甲状腺ホルモン(FT3、FT4)と甲状腺刺激ホルモン(TSH)の値を中心に評価します。
詳細は、検査値を用いながら分かりやすく説明します。

甲状腺の病気

甲状腺の病気は大きく、ホルモン異常(甲状腺機能の異常)と腫瘤(できもの・しこり)に分類されます。腫瘤はさらに過形成と腫瘍とがあります。
腫瘍は良性(腺腫)、良性/悪性(低リスク腫瘍)、悪性(甲状腺がん)に分かれます。
ホルモン値の異常は、ホルモンが過剰に分泌される甲状腺中毒症、不足した場合は、甲状腺機能低下症が挙げられます。

  • 甲状腺ホルモンが過剰(甲状腺中毒症)になる病名

    • ・バセドウ病
    • ・無痛性甲状腺炎
    • ・亜急性甲状腺炎
    • ・妊娠性一過性甲状腺機能亢進症
    • ・自律機能性甲状腺結節
  • 甲状腺ホルモンが不足(甲状腺機能低下症)する病名

    • ・橋本病
    • ・ヨウ素の過剰摂取
    • ・その他要因(先天性甲状腺異常、甲状腺術後による機能低下、放射線照射による機能低下)
  • 腫瘤性病変には次のものがあります。

    腫瘍様病変(良性)
    ・腺腫様甲状腺腫

    良性腫瘍
    ・濾胞腺腫

    低リスク腫瘍(良性/悪性)

    悪性腫瘍
    ・濾胞がん
    ・乳頭がん
    ・低分化がん
    ・未分化がん
    ・髄様がん
    ・リンパ腫

    その他(良性)
    ・嚢胞

副甲状腺の病気

副甲状腺は、甲状腺付近にある、米粒大程度の小さな臓器で4つ(左右に2つずつ)存在します。
一定の割合で、5つ以上をお持ちの方もいますが、それ自体が病気に影響することはありません。
主な役割は、血液中のカルシウム調整です。

高カルシウム血症が重篤な場合には、食欲不振、悪心、嘔吐、腎不全等の症状がでることも多く、緊急手術や高次医療機関への搬送というケースもあります。

副甲状腺ホルモンも過剰、不足による病気と、副甲状腺の嚢胞、過形成、腫瘍(良性、悪性)に分類されます。
※副甲状腺疾患の病気は、当院では必要に応じて連携している医療機関に紹介しております

  • ホルモン過剰
    (副甲状腺機能亢進症)の病気
    原発性副甲状腺機能亢進症
    二次性(腎性)副甲状腺機能亢進症
  • ホルモン不足
    (副甲状腺機能低下症)の病気
    特発性副甲状腺機能低下症
    術後副甲状腺機能低下症

各種検査

血液検査血液検査

血液検査

甲状腺ホルモンの値を測定し、甲状腺自己抗体や腫瘍マーカーを確認するための検査です。
診断に利用するほか、処方薬を服用し、病気がコントロールされているかの確認にもなります。

超音波検査(エコー検査)超音波検査(エコー検査)

超音波検査(エコー検査)

エコー検査装置で甲状腺の形や大きさ、血流、および結節の弾性やしこりを確認し、診断・治療計画に活用します。

穿刺吸引細胞診穿刺吸引細胞診

穿刺吸引細胞診

エコー検査装置で確認しながら甲状腺の細胞や分泌物を注射針で採取し、顕微鏡で悪性・良性の確認をする検査です。